東京の明治神宮外苑で開催されている、東京デザイナーズウィーク2010に行ってきました。僕の研究室の学生が、学生展示で出展しているので、時間の合間を縫って、顔を出しに行ってきたのです。
会場は、多くの人で賑わっていました。コンテナを使ったインテリアの作品や、絶滅種をテーマとした学生作品、企業や外国人デザイナーの作品紹介など、デザインにかかわるあらゆるアイテムが揃っていて、短時間では見きれない、豊富な展示内容でした。下の写真は、会場の風景です。
僕の研究室の学生が、これまで4年続けて作品出展に参加しているので、毎年、観にきています。今年は環境というテーマを、より強く押し出してる作品が多かったようです。見本市と学園祭と展覧会を組み合わせたようなこのイベントは、祝祭的な雰囲気を生み出していて、なかなか面白いです。こうして様々な次元のデザインに触れると、人間が何かを表現しようとすることは、根源的な欲求なのだなということを、改めて痛感します。その思いの強さをうまく形にできれば、人の心を打つことができるのでしょう。
建築も同じで、単純な利便性だけでなく、「居心地の良さ」や「使いやすさ」、「住みやすさ」をクリアした上で、さらにより高い次元の空間を見いだすことができると、建築が住まい手や使い手の心を打ち、感動を与えたり、人を生き生きと元気にさせたりしてくれるのだと思います。
少し話がずれますが、以前、僕の事務所で、二世帯住居を設計させていただいたことがありました。その際に、親世帯のお母様が、設計を始める前に癌を煩われていたのですが、設計を終えて完成した住居に住まわれるようになってから、癌が直ったそうです。(本当です)。このときはクライアントのご家族のみなさんにとても感謝され、設計者としても、素直に嬉しかったです。
もちろん、建築だけが、回復の要因ではないと思いますが、建築にはそうした力もあるのだ、と思います。
デザイナーズウィークの会場で、人ごみをかきわけて、テント内の企業展示を駆け足で見て回っていると、建築家の伊東豊雄さんが、とあるブースで、サイン会をやっているのを発見。
いろんな人が、来ていたようです。