5/27、建築倉庫でのトークイベントに出演します。

東京・天王洲アイルの建築倉庫にて、6/18まで、南がディレクションした展覧会が開催されています。

Tokyo Canalling 〜アートの揺籃、運河の東京〜と題した建築企画展で、運河・アート・都市をテーマとした建築作品や動画が展示されています。

この展覧会関連企画として、5/27に建築倉庫にて特別トークイベントが開催されます。

このイベントに、南も出演します。

14時〜16時半に開催されるイベントで、出展学生の発表やゲスト講師のレクチャー、トークセッションなどが行われます。下記です。

良かったらお越し下さい。

Tokyo Canalling ~アートの揺籃、運河の東京~
特別トークイベント

日時:

2023年5月27日(土)14:00-16:30
①14:00-14:45 出展学生によるギャラリートーク
         (休憩15分)
②15:00-15:30 鈴木岳彦氏・霜田亮祐氏によるミニレクチャー
③15:30-16:30 トークセッション

登壇者:
南 泰裕
(建築家/国士舘大学理工学部理工学科建築学系教授)
鈴木 岳彦
(建築家/国士舘大学非常勤講師)
霜田 亮祐
(ランドスケープアーキテクト/
千葉大学大学院園芸学研究院准教授)
天内 大樹
(美学芸術学/青山学院大学総合文化政策学部准教授)

アジア産直住宅・建築家プロジェクトに参加しています。

日本の国産材を利用し、その建設技術とノウハウを応用してアジア諸国に住宅を送り届ける、「アジア産直住宅」プロジェクトに、建築家として南が参加しています。

このプロジェクトでは、複数のプロフェッサー・アーキテクトがコラボレートすることで、それぞれの知見と技術を掛け合わせ、様々な地域への応用が可能な、住宅のプロトタイプを開発・提供するものです。

現在、タイにその実験住宅がすでに作られています。その延長で、構造家および環境光学の研究者を含め、複数の専門家とともに、新しい建築構法を応用した、木造住宅の新しい未来像を生み出すための研究開発および実地調査・建築計画を進めています。

2022年3月には、大分での材木視察と現地関係者による研究会を開催し、7月には関係者・建築家・研究者によりタイを訪れ、海外での木造住宅の可能性と課題について実地調査を行っています。

7/13、オンライン・シンポジウムのご案内

7/13の15時〜18時に、換気プロジェクトのオンライン・シンポジウムを開催します。

詳細は下記です。

参加無料、予約不要です。

皆様のご参加をお待ちしています。

・シンポジウム・テーマ

「新型コロナ対策のための、室内換気シミュレーションと改善計画をめぐって」

新型コロナウイルスの拡大により、建築空間における換気対策が、世界的にきわめて重要な課題になっています。そこで本シンポジウムでは、いくつかの事例を取り上げながら、室内換気シミュレーションの現状と今後の課題について、様々な識者とともに考えてみたいと思います。

本プロジェクトは2020年5月に、神戸商工会議所の委託を受けて、石原慎一氏のコーディネートによりスタートしました。そこに、国士舘大学南研究室、芝浦工業大学西村研究室が参画し、様々な実地調査を通して、室内換気のシミュレーション分析と改善対策の提案を行ってきました。

ここでは、それらの調査分析事例を広く紹介しながら、専門家をお招きして、コロナ対策の今後について議論します。是非、ご参加いただければ幸いです。

日時:2021年7月13日(火)、15時〜18時(オンライン)

   参加無料、予約不要

登壇者:石原慎一(オールド・コーベ・カフェ代表)

    河原大輔(Arup社 環境設備エンジニア)

    高木顕二(日本エアーテック 取締役本部長)

    西村直也(芝浦工業大学 建築学部建築学科 教授)

    南泰裕(国士舘大学 理工学部建築学系 教授)

    (五十音順、敬称略)

・タイムテーブル

第1部:室内換気プロジェクトの概要と調査分析事例

15:00〜15:15  挨拶、趣旨説明、登壇者紹介

15:15〜15:30  石原慎一氏レクチャー(15分)

       「科戸の風プロジェクトについて」

15:30〜15:45  西村直也氏レクチャー(15分)

       「室内空間の換気シミュレーション解析について」

15:45〜16:00  南泰裕氏レクチャー(15分)

       「換気を通した建築空間と改善計画」

16:00~16:15 休憩(15分)

第2部:室内換気に関する、感染対策と建築計画

16:15〜16:30  高木顕二氏レクチャー(15分)

       「気流解析による空気清浄化の提案」

16:30〜16:45  河原大輔氏レクチャー(15分)

       「ダイナミックインシュレーションと換気」

16:45〜16:55  質疑応答

16:55〜17:00  休憩

第3部:ウィズ・コロナにおける、都市と建築空間のあり方について

17:00〜17:40  トークセッション(40分)

17:40〜17:55  参加者のコメント・質疑ほか

17:55~18:00  まとめ、終了

共催:国士舘大学 南泰裕研究室+芝浦工業大学 西村直也研究室

問合せ:国士舘大学理工学部建築学系 南研究室

    tel.03-5481-3287

    mail : 2020minamilab@gmail.com

「丸の内ストリートパーク」での動画を配信

東京都心に仮設の芝生広場として出現した、「丸の内ストリートパーク」を訪れました。

ここで、アート・ディレクターの野村聡さんとフリートークを行い、動画を配信しました。

ここは、アメリカ等でよく話題に上がる、タクティカル・アーバニズムや、サード・プレイスという、都市計画の考え方の好例です。

つまり、小さく短期的な目標で、都市空間の豊かな利用方法を、新たに生み出そうとする考え方です。

リゾート感溢れる雰囲気がすごく気持ち良かった!

ストリート・ファーニチャーやパブリック・アートが、都会の緑によくマッチしています。

良かったらご覧ください。緑溢れる春の気配を、ご堪能いただければ幸いです。

京都・大徳寺での建築家フリートーク

京都の大徳寺を訪れ、石庭を前に建築家たちでフリートークを行いました。

神田クリエーターズ・ラボによるスペシャル動画です。

大徳寺は、京都で最も古い禅宗寺院の一つで、建築的には見どころ満載。

特に孤逢庵は、小堀遠州の作庭と茶室が素晴らしく、絶賛する建築家も多いです。

今回は建築家の青木茂さん、椙山女学園大学の村上心教授、早稲田大学客員准教授の脇田健裕さん、建材会社の石井宏裕さんと僕が、日本庭園について語り合いました。

良かったらご覧ください。

学園祭ゲートの設計・制作

今日は、学園祭のゲート設計についてご紹介します。

一昨年、学園祭の実行委員会より、建築学系でキャンパス内にゲートをデザインしてほしい、とのリクエストを受けて、制作したものです。

そこで、木製格子によるゲート案を考えました。これが、僕の初期スケッチです。

ここでは、組み立てと解体のし易さ、制作時の安全性を考慮しました。そこで、釘を使わずに、どうやって構造的に安定させ、かつ解体を容易にするかがテーマとなりました。

そこで、木造グリッドのパターンを、いろいろ検討して見ました。下記のような感じです。

いろいろな検討の結果、米松を使用し、45ミリ×45ミリの角材を切り出して、それを組み合わせることにしました。

まずはスタイロフォームを使って、モックアップで検討。

そこで、いよいよ制作。

学生たちと一緒に、僕も作業に参加。

ついに完成。学園祭の様子。

なかなか良い感じに仕上がりました。角材を切り出し、穿孔・組み立て作業を全て自分たちでやりましたが、施工制度も、かなり高かった。学生たちが頑張りました。

釘を全く使わず、日本の継手・仕口に習って、約800以上の部材を連結させて組み上げました。強度的にも、全く問題なかったです。

小口部分は朱色に塗り、日本の伝統的な建築の組手をイメージさせるデザインとしました。

制作途中から、道ゆく方々や隣の世田谷区役所の方々も関心を持ってくださり、とても好評でした。

そのため、学園祭後も1ヶ月ほど、延長して展示することになりました。

解体を考慮した設計のおかげで、展示d終了後は、あっという間に簡単に解体。ほぼ1時間あまりで、綺麗に解体されました。

解体した部材は、近くを通りかかった一般の方々が、ぜひ欲しいというので、無料で大量に差し上げました。薪にでも使うのかも知れませんね。

ともあれ、解体後も有効に再利用されて、とてもサステイナブル。

なかなか楽しいプロジェクトでした。

今はコロナで、残念ながらこうしたプロジェクトをやるのが、なかなか難しい状況です。

が、また落ち着いたら、いろいろとやりたいと思います。

ではまた!

ロンドンの海外コンペティション

今日は、僕の研究室でデザインした、ロンドンの海外建築コンペティション案を紹介します。

これはロンドン市内の公園に、パビリオンを作る、という実施設計で、DISCOVERYというテーマが課題でした。

このテーマを受けて、私たちの研究室では諸々検討の結果、’LENS’というコンセプトでデザイン案を進めていくことにしました。

これが、僕のファーストスケッチです。

そして、構造や耐久性、施工のしやすさ等を総合的に検討し、次の模型のような案を具体化することにしました。

このアイデアでは、自然科学の発展となるシンボルであるレンズが、様々な発見(discovery)を生み出したことにちなんでいます。そこで、スチールによるレンズ状のユニットを連接させ、それらが同時に全体の構造体となるようにしました。内部の様子。

夜になると、蓄光塗料が作用し、公園全体の照明となることを意図しています。こんな感じです。

外観は、こんな感じです。

最終的なプレゼンテーションは、次のようになりました。

このコンペ案は、ファイナリストの一つに選ばれました。

残念ながら1等にはならなかったので、実際に建つには至りませんでした。が、いろいろな建築アイデアを組み合わせた、ユニークな作品にすることができました。

ではまた!

ショップのインテリアデザイン

今日は、インテリアデザインの仕事を紹介します。

これは、渋谷の某所にて依頼を受けた、物販のインテリア設計です。

もともと約50㎡ほどの古いオフィススペースをリノーベションし、店舗として利用したいとの依頼を受け、検討を進めました。

クライアントの方と一緒に検討を重ねる中で、「お店だけれど小さなギャラリーのような空間を作りたい」との話になりました。また、「華やかさがありながらも、木を使ったアットホームな雰囲気にしたい」とのリクエストを受けました。

そこで、こんな感じのデザインイメージになりました。これは50分の1の模型です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

物販店の設計で大切なポイントは、変化にいかに対応できるかです。販売する商品の種類や大きさが、状況に応じて変わる可能性があるからです。

そこで、重要な要素となるのが、陳列棚と照明。これらを考慮しながら、全体にぐるりと回る回遊性を持たせ、特徴となる長い木製カウンターを計画しました。

実施設計後、工事が始まり、工事中の現場はこんな感じ。

そして完成。出来上がりは、こんな感じになりました。

撮影:阿野太一

右側に、ガラス台をぐるりと回る動線を計画し、左側に、キャッシャー台や談話スペースを兼ねた、長いカウンターを配置しています。

撮影:阿野太一

このお店は結構好評で、いろいろな工夫が上手く成功しました。商品が変わった時の奥のスペースは、こんな感じ。壁際の陳列棚は、変化に対応できるように、その大半を可動式にしています。照明も、ライトレールとスポットライトで、様々な使い方に対応できるように考慮。

また、バックライトによる陳列棚は、商品と照明の雰囲気を変えて、例えばこんな風に。

エントランス側の棚は、下からライトアップさせて、美術館の展示風にアレンジ。

商品のアレンジを変えると、様々なバリエーションを演出できるように配慮しました。下のような感じです。

リノベーションによるインテリアデザインは、ビフォア/アフターがはっきりと分かるので、クライアントの皆さんにも、その違いを楽しんでもらえて、喜ばれます。特に物販の場合、水回り部分がほとんど出ないため、工期が短いので、見た目にもどんどん進む様子が分かります。

店舗は回転が早いので、残念ながらこのお店は、3年ほどでなくなり、もうありません。が、クライアントにもお客さんにも、なかなか好評だったので、設計者としても嬉しかったです。

ではまた!

南洋堂ルーフラウンジの設計プロセス

今回は、南洋堂書店の屋上リノベーションを紹介します。

南洋堂書店は、東京・神田神保町に位置する、老舗の建築専門書店です。この建築自体、いろいろな建築家が関わっており、非常にユニークなビルです。

あるとき、以前からお世話になっている書店社長のAさんから、屋上のリノベーションを依頼され、三人の建築家による共同設計でプロジェクトを進めることになりました。今村創平さん、山本想太郎さんと僕の3人です。

Aさんのリクエストは、「書店としてのPRになるものをデザインして欲しい、ただし、カッコ悪い看板とかで、目立つようなものはダメ」というものでした。

そこで、3人でスタディを重ね、数多くの案を検討しました。こんな感じ。

設計プロセスの途中、せっかくなので、それらのスタディ案を並べて、南洋堂内のギャラリースペースで、展覧会をさせていただくことになりました。

その上で、来場した方々に人気投票をしていただき、そこで一番人気が高い案を、実際に作ろう、という話になりました。これがその展覧会の様子。左のパネルには、僕のスケッチなど。

この展覧会に合わせて、僕が書いたテキスト。古今東西の、空中庭園に関するテキストを集めました。

<空中庭園をめぐるノート>               
 
「空中庭園〜バビロンを再建したネブカドネザル二世が王妃のために建造した巨大な角錐状の人工庭園。宮殿の北東部に位置し大河に接していた。」
−岩成達也「空中庭園のためのスケッチ、若干」
 
 「くちづけや、愛のあまりにこぼれるよだれ、下卑たしあわせ感、愛しあう者の、どこがどちらともわからないからみあいの、海のうねりのような動き−私の心は私にこういうものの持つ孤独をおしえてくれた。私が空中庭園を高く釣り上げたのはそのためであって、」
−ポール・ヴァレリー「セミラミスのアリア」、中井久夫訳
 
 「生きたいという自然な欲求が、私の胸にふるえるような喜びを生み、すぐに、これはひょっとすると何とかしてこのやりきれない状況から救われるかもしれない、 という希望がわいた。しかし同時に、人間の住む島が空中に浮かんでいて、人間の思うままに上昇したり下降したり、また前進したり出来る(どうもそうらしい)のを見た私の驚きを、読者はまず想像もできないだろう」
スウィフト「ガリヴァー旅行記/第三部、ラピュタ」梅田昌志郎訳
 
 Laputa
ラピュータ。バルニバービ島の上空を浮遊する飛島。王みずからもここに住む。直径7837ヤードの円形をなし、巨大な一個の磁石によって動く。
ラピュータ人は数学と音楽と天文学に夢中で、そのどれもがこの国では非常に高い水準に達している。
 
 屋上庭園の、32のアンリアルな思考の破片と、その全体から蒸留され、抽出されゆくはずの、33番めのリアルな未来形。
−NANYODO ROOFTOP PROJECT, BY PROSPECTOR−

そして、僕が描いたスタディのスケッチ。

そんな形で、人気投票と打ち合わせを経て、予算や施工の技術的問題等、いろいろ検討した結果、次の案を具体化することになりました。

コンセプトは、「小さな空中庭園」「都市に浮かぶ茶室のようなスペース」です。南洋堂はお茶の水・駿河台の交差点に位置しており、この屋上からの眺めが素晴らしい。なので、それをうまく活かしながら、道ゆく人にPRする空間的仕掛けを考えました。

で、これが施工途中の様子。

共同設計者の今村さん、山本さんと僕と、それぞれの事務所スタッフも、一緒に現場を手伝いました。鉄はものすごく重かった・・・でも、みんなで一緒になって作り上げるのは、すごく楽しかった!

そして完成し、こんな感じに。

写真撮影:山本想太郎

3種類の直径からなるステンレスの円盤を、ランダムに組み合わせたデザインです。軒裏を鏡面仕上げとし、赤く塗ったフローリングが反射して、道ゆく人の注意を引く、サイン塔となることを意図しました。

ここでは、僕のエッセイ集である『ブリコラージュの伝言』の出版記念パーティもやらせていただきました。この本は売り切れて、残念ながら絶版です。

また、このルーフラウンジの植栽部分は、ランドスケープデザイナーの石川初さんにご協力いただきました。下記は、石川さんのアイデアによるランドスケープの概念図。

完成後、その施工プロセス自体を紹介する展覧会もやらせていただきました。こんな感じ。

この南洋堂ルーフラウンジは、『新建築』2006年10月号で紹介されています。この掲載誌の写真中、黒いシャツを着て写っているは、僕です(笑)。

ではまた!