学園祭ゲートの設計・制作

今日は、学園祭のゲート設計についてご紹介します。

一昨年、学園祭の実行委員会より、建築学系でキャンパス内にゲートをデザインしてほしい、とのリクエストを受けて、制作したものです。

そこで、木製格子によるゲート案を考えました。これが、僕の初期スケッチです。

ここでは、組み立てと解体のし易さ、制作時の安全性を考慮しました。そこで、釘を使わずに、どうやって構造的に安定させ、かつ解体を容易にするかがテーマとなりました。

そこで、木造グリッドのパターンを、いろいろ検討して見ました。下記のような感じです。

いろいろな検討の結果、米松を使用し、45ミリ×45ミリの角材を切り出して、それを組み合わせることにしました。

まずはスタイロフォームを使って、モックアップで検討。

そこで、いよいよ制作。

学生たちと一緒に、僕も作業に参加。

ついに完成。学園祭の様子。

なかなか良い感じに仕上がりました。角材を切り出し、穿孔・組み立て作業を全て自分たちでやりましたが、施工制度も、かなり高かった。学生たちが頑張りました。

釘を全く使わず、日本の継手・仕口に習って、約800以上の部材を連結させて組み上げました。強度的にも、全く問題なかったです。

小口部分は朱色に塗り、日本の伝統的な建築の組手をイメージさせるデザインとしました。

制作途中から、道ゆく方々や隣の世田谷区役所の方々も関心を持ってくださり、とても好評でした。

そのため、学園祭後も1ヶ月ほど、延長して展示することになりました。

解体を考慮した設計のおかげで、展示d終了後は、あっという間に簡単に解体。ほぼ1時間あまりで、綺麗に解体されました。

解体した部材は、近くを通りかかった一般の方々が、ぜひ欲しいというので、無料で大量に差し上げました。薪にでも使うのかも知れませんね。

ともあれ、解体後も有効に再利用されて、とてもサステイナブル。

なかなか楽しいプロジェクトでした。

今はコロナで、残念ながらこうしたプロジェクトをやるのが、なかなか難しい状況です。

が、また落ち着いたら、いろいろとやりたいと思います。

ではまた!

ロンドンの海外コンペティション

今日は、僕の研究室でデザインした、ロンドンの海外建築コンペティション案を紹介します。

これはロンドン市内の公園に、パビリオンを作る、という実施設計で、DISCOVERYというテーマが課題でした。

このテーマを受けて、私たちの研究室では諸々検討の結果、’LENS’というコンセプトでデザイン案を進めていくことにしました。

これが、僕のファーストスケッチです。

そして、構造や耐久性、施工のしやすさ等を総合的に検討し、次の模型のような案を具体化することにしました。

このアイデアでは、自然科学の発展となるシンボルであるレンズが、様々な発見(discovery)を生み出したことにちなんでいます。そこで、スチールによるレンズ状のユニットを連接させ、それらが同時に全体の構造体となるようにしました。内部の様子。

夜になると、蓄光塗料が作用し、公園全体の照明となることを意図しています。こんな感じです。

外観は、こんな感じです。

最終的なプレゼンテーションは、次のようになりました。

このコンペ案は、ファイナリストの一つに選ばれました。

残念ながら1等にはならなかったので、実際に建つには至りませんでした。が、いろいろな建築アイデアを組み合わせた、ユニークな作品にすることができました。

ではまた!

ショップのインテリアデザイン

今日は、インテリアデザインの仕事を紹介します。

これは、渋谷の某所にて依頼を受けた、物販のインテリア設計です。

もともと約50㎡ほどの古いオフィススペースをリノーベションし、店舗として利用したいとの依頼を受け、検討を進めました。

クライアントの方と一緒に検討を重ねる中で、「お店だけれど小さなギャラリーのような空間を作りたい」との話になりました。また、「華やかさがありながらも、木を使ったアットホームな雰囲気にしたい」とのリクエストを受けました。

そこで、こんな感じのデザインイメージになりました。これは50分の1の模型です。

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物販店の設計で大切なポイントは、変化にいかに対応できるかです。販売する商品の種類や大きさが、状況に応じて変わる可能性があるからです。

そこで、重要な要素となるのが、陳列棚と照明。これらを考慮しながら、全体にぐるりと回る回遊性を持たせ、特徴となる長い木製カウンターを計画しました。

実施設計後、工事が始まり、工事中の現場はこんな感じ。

そして完成。出来上がりは、こんな感じになりました。

撮影:阿野太一

右側に、ガラス台をぐるりと回る動線を計画し、左側に、キャッシャー台や談話スペースを兼ねた、長いカウンターを配置しています。

撮影:阿野太一

このお店は結構好評で、いろいろな工夫が上手く成功しました。商品が変わった時の奥のスペースは、こんな感じ。壁際の陳列棚は、変化に対応できるように、その大半を可動式にしています。照明も、ライトレールとスポットライトで、様々な使い方に対応できるように考慮。

また、バックライトによる陳列棚は、商品と照明の雰囲気を変えて、例えばこんな風に。

エントランス側の棚は、下からライトアップさせて、美術館の展示風にアレンジ。

商品のアレンジを変えると、様々なバリエーションを演出できるように配慮しました。下のような感じです。

リノベーションによるインテリアデザインは、ビフォア/アフターがはっきりと分かるので、クライアントの皆さんにも、その違いを楽しんでもらえて、喜ばれます。特に物販の場合、水回り部分がほとんど出ないため、工期が短いので、見た目にもどんどん進む様子が分かります。

店舗は回転が早いので、残念ながらこのお店は、3年ほどでなくなり、もうありません。が、クライアントにもお客さんにも、なかなか好評だったので、設計者としても嬉しかったです。

ではまた!

南洋堂ルーフラウンジの設計プロセス

今回は、南洋堂書店の屋上リノベーションを紹介します。

南洋堂書店は、東京・神田神保町に位置する、老舗の建築専門書店です。この建築自体、いろいろな建築家が関わっており、非常にユニークなビルです。

あるとき、以前からお世話になっている書店社長のAさんから、屋上のリノベーションを依頼され、三人の建築家による共同設計でプロジェクトを進めることになりました。今村創平さん、山本想太郎さんと僕の3人です。

Aさんのリクエストは、「書店としてのPRになるものをデザインして欲しい、ただし、カッコ悪い看板とかで、目立つようなものはダメ」というものでした。

そこで、3人でスタディを重ね、数多くの案を検討しました。こんな感じ。

設計プロセスの途中、せっかくなので、それらのスタディ案を並べて、南洋堂内のギャラリースペースで、展覧会をさせていただくことになりました。

その上で、来場した方々に人気投票をしていただき、そこで一番人気が高い案を、実際に作ろう、という話になりました。これがその展覧会の様子。左のパネルには、僕のスケッチなど。

この展覧会に合わせて、僕が書いたテキスト。古今東西の、空中庭園に関するテキストを集めました。

<空中庭園をめぐるノート>               
 
「空中庭園〜バビロンを再建したネブカドネザル二世が王妃のために建造した巨大な角錐状の人工庭園。宮殿の北東部に位置し大河に接していた。」
−岩成達也「空中庭園のためのスケッチ、若干」
 
 「くちづけや、愛のあまりにこぼれるよだれ、下卑たしあわせ感、愛しあう者の、どこがどちらともわからないからみあいの、海のうねりのような動き−私の心は私にこういうものの持つ孤独をおしえてくれた。私が空中庭園を高く釣り上げたのはそのためであって、」
−ポール・ヴァレリー「セミラミスのアリア」、中井久夫訳
 
 「生きたいという自然な欲求が、私の胸にふるえるような喜びを生み、すぐに、これはひょっとすると何とかしてこのやりきれない状況から救われるかもしれない、 という希望がわいた。しかし同時に、人間の住む島が空中に浮かんでいて、人間の思うままに上昇したり下降したり、また前進したり出来る(どうもそうらしい)のを見た私の驚きを、読者はまず想像もできないだろう」
スウィフト「ガリヴァー旅行記/第三部、ラピュタ」梅田昌志郎訳
 
 Laputa
ラピュータ。バルニバービ島の上空を浮遊する飛島。王みずからもここに住む。直径7837ヤードの円形をなし、巨大な一個の磁石によって動く。
ラピュータ人は数学と音楽と天文学に夢中で、そのどれもがこの国では非常に高い水準に達している。
 
 屋上庭園の、32のアンリアルな思考の破片と、その全体から蒸留され、抽出されゆくはずの、33番めのリアルな未来形。
−NANYODO ROOFTOP PROJECT, BY PROSPECTOR−

そして、僕が描いたスタディのスケッチ。

そんな形で、人気投票と打ち合わせを経て、予算や施工の技術的問題等、いろいろ検討した結果、次の案を具体化することになりました。

コンセプトは、「小さな空中庭園」「都市に浮かぶ茶室のようなスペース」です。南洋堂はお茶の水・駿河台の交差点に位置しており、この屋上からの眺めが素晴らしい。なので、それをうまく活かしながら、道ゆく人にPRする空間的仕掛けを考えました。

で、これが施工途中の様子。

共同設計者の今村さん、山本さんと僕と、それぞれの事務所スタッフも、一緒に現場を手伝いました。鉄はものすごく重かった・・・でも、みんなで一緒になって作り上げるのは、すごく楽しかった!

そして完成し、こんな感じに。

写真撮影:山本想太郎

3種類の直径からなるステンレスの円盤を、ランダムに組み合わせたデザインです。軒裏を鏡面仕上げとし、赤く塗ったフローリングが反射して、道ゆく人の注意を引く、サイン塔となることを意図しました。

ここでは、僕のエッセイ集である『ブリコラージュの伝言』の出版記念パーティもやらせていただきました。この本は売り切れて、残念ながら絶版です。

また、このルーフラウンジの植栽部分は、ランドスケープデザイナーの石川初さんにご協力いただきました。下記は、石川さんのアイデアによるランドスケープの概念図。

完成後、その施工プロセス自体を紹介する展覧会もやらせていただきました。こんな感じ。

この南洋堂ルーフラウンジは、『新建築』2006年10月号で紹介されています。この掲載誌の写真中、黒いシャツを着て写っているは、僕です(笑)。

ではまた!

住宅設計のプロセス

今回は、僕のアトリエで設計した住宅の一つを取り上げ、その設計プロセスの一部を紹介します。

取り上げる住宅は、東京都内に建つ、鉄骨造3階建ての住宅です。設計の考え方を反映し、建主さんと相談して、spin-offと名付けられました。

敷地の現地調査を経て、建主さんと何回も打ち合わせの上、実は最初の建築イメージは、下記のアート作品から始まりました。

一見、建築とは全然関係ないように見えますね。これはブランクーシというアーティストの、「空間の鳥」という有名な彫刻作品。

光と風を、建築にどうやって取り入れるかを繰り返し検討し、このイメージに至りました。それをイメージしつつ、初期の頃に描いた僕のファースト・スケッチが下記です。

ここから、下記のように、具体的に色々な案を検討しました。

すごい数の模型ですが、これら一つ一つを、実際に詳細に検討しています。

もちろん、あらゆる条件を検討しました。使い勝手、建築基準法、光と風の取り入れ方、プライバシーの確保、駐車場の使いやすさ、予算、構造的なバランス、素材、その他諸々です。

それらの検討を経て、最終的に次のような案にたどり着きました。

そしてこれが構造のフレーム模型です。鉄骨の骨組みで組まれています。

これは内部空間の模型。これらを使って、さらに詳細に検討。

そして紙面の都合上、詳細は省き、いきなりですが地鎮祭の様子。女性の神主さん。しっかり儀式を進めてくださいました。

その後、鉄骨が組みあがった状態です。構造を検討し、杭も打っているので、地震対策もバッチリ。下で人が集まっているのは、上棟式の宴会。

これは、建設途中の、建築の学生たちを連れての、現場見学会。床にコンクリートが打たれ、階段が入りました。頑丈な構造体になりました。

そして完成です。ほとんど模型通りに出来上がりました。

中はこんな感じ。1階広間。シースルーの階段で、明るさと広さを工夫。

3階のテラスと、屋上への階段。

2階、3階の居室。3階は良い眺め。

これは水周りです。ガラスドアを使って、開放感を生み出しました。洗面カウンターも、照明を組み込んで、おしゃれにまとめました。

軟弱地盤であることや、隣地がギリギリまで迫っていること等、色々と厳しい制約のある敷地条件の中で、建主さんの要望を最大限に実現するため、様々な工夫を織り込みました。

敷地は20坪そこそこでしたが、ここに駐車場2台分を確保した二世帯住宅とし、吹き抜け・テラス・屋上・その他いろんなことが実現されています。建主さんにも喜んでいただけました。

本当はまだまだ紹介したい写真がいっぱいあるのですが、今回は取りあえずここまでにします。

この住宅の写真は、インスタグラムでも紹介していますので、良かったらそちらもご覧ください。

ではまた!

「美術と建築のあいだ」展

今日は、以前、銀座のギャラリーで開催された、「美術と建築のあいだ」という展覧会について紹介します。

これは、美術家の彦坂尚嘉さんと僕が、<美術家と建築家の二人展>として、協働して作品展示を行った展覧会です。

この展覧会の概要は、lLIXIL出版の10+1WEBにて、「美術と建築のあいだをめぐって」というタイトルで、僕がそのレポートをまとめています。

展覧会場は「ギャラリー手」という画廊で、残念ながら今はもうありませんが、銀座・京橋に位置していました。

銀座にあったギャラリー手

ここでは僕は、当時アトリエで進行中だった住宅のプロジェクトをテーマに、パランプセスト(重ね書き)というコンセプトで展示を行いました。これが会場構成の模型写真です。

30分の1の会場構成模型

この展覧会では、3×33枚=99枚のドローイングを横長に並べ、それがグラデーションで、青から白へと移り変わっていく表現としました。

それに合わせ、33個の住宅模型を展示。ドローイングと模型の縮尺はすべて100分の1に統一し、ドローイングは図面に僕のスケッチを重ね書きする、という手法を取りました。

設営作業に参加した学生たち。みんな、僕のアトリエに来ていた学生です。

完成した展示風景です。

撮影:白濱雅也

展示イメージをチェックする、僕の後ろ姿。ちょっと偉そうですね。

ドローイングの一部。

彦坂さんの美術作品とのコラボレーション。

オープニングパーティには、建築関係、美術関係を始め、多くの方々が来てくださいました。こんな感じです。

この時は、建築評論家や美術評論家にもご参加いただき、今はなき、すぐ近くのINAXギャラリーで関連シンポジウムも開催し、多くの方々に聴講いただきました。

こんな風に、アーティストの方とコラボレーションするのは、僕も大いに刺激を受けて、すごく面白かったです。

ではまた!

浮かぶ茶室と竹ドーム

今回は、浮かぶ茶室と竹ドームを制作した話です。

以前、大学の世田谷キャンパス内に、研究室で浮かぶ茶室を作りました。そこに竹のドームを重ねあわせ、キューブ(立方体)とドーム(球体)を組み合わせた構築物を制作して見ました。

最初にまず、木材で立方体を作り、それを竹のドームで覆います。竹は、世田谷トラストまちづくりという団体から、提供していただきました。

立方体を竹ドームで覆う立方体は一辺が2.4m

次に、竹ドームの中に、複数の立方体を組み入れます。

次に壁を貼ります。

塗装作業。だんだん形が見えてきました。学生たちが、頑張っています。

これが、完成をイメージした模型写真。

竹ドームは途中で少し曲がってしまいましたが、何とか完成。赤いキューブが、茶室部分。

少しだけ浮かんでいます。フローティング・ティールーム。

彫刻家のイサムノグチによる、「レッド・キューブ」という作品を参考にしました。

そこに、白い立方体の展示スペースと待合を組み合わせて、コントラストを作りました。

完成後は、茶道部の人たちを招いて、お茶会もやりました。これが茶室内部。掛け軸も本格的で、なかなか良くできています。内装デザインも、すべて研究室で行いました。

同時に、仮設建築博物館として、研究室で制作した建築模型もい、いろいろ展示。

お茶会の風景です。学外からも、多数の方々が参加。

楽しいプロジェクトでした!

ではまた!

坂倉準三展と、バタフライ屋根

東京の汐留に、パナソニック汐留美術館があり、ここでは優れた建築展が開催されることが多いので、僕もよく訪れています。

以前、ご縁があり、ここで開催された「坂倉準三展」に、南研究室が模型を出展したことがありました。

坂倉準三といえば、世界的な建築家であるル・コルビュジエの弟子として有名です。また、かつての渋谷や新宿の都市開発にも関わり、文字通り東京の骨格作りに大きな影響を与えた建築家でもあります。

その坂倉さんが設計した住宅を調査した上で、藤山邸という、すでに現存していない住宅の模型を研究室で製作し、展示しました。この模型です。

この住宅の特徴は、バタフライ屋根です。文字通り、蝶々が羽を広げたような屋根の形をしていて、外に向かって広がっているので、のびやかで見晴らしの良い軒下空間が生まれています。

全体は、中庭をコの字型に囲んだ構成で、地形をうまく活かした巧みなデザインとなっており、今見ても惹かれる要素が随所に散りばめられています。

階段で少し上がって、高床になっている玄関部分も、なかなか良いですね。

この坂倉さんの住宅に触発されて、以前、僕も横浜・日吉での住宅設計のプロジェクトで、バタフライ屋根の住宅案を何案も考えていたことがありました。その時の計画案の一例が、例えばこれです。

通常、住宅やその規模の建築は、切妻屋根や寄棟と呼ばれる屋根で計画されることが多いです。が、敷地の形状や条件によっては、このバタフライ屋根としたほうが、自然の光を取り入れやすく、外部テラス等のひさしとして、バランスよく合理的に計画できる場合もあります。

屋根のデザインは、建築全体の骨格を形作る基本要素なので、重要ですね。

ではまた!

リスボン建築トリエンナーレ展のこと

以前、私の研究室で、国際建築展に出展・参加したことがありました。今日はその展覧会の活動紹介をしたいと思います。

この展覧会は、ポルトガルで行われた、リスボン建築トリエンナーレという国際展です。私たち南研究室は、この展覧会に、日本チームの代表の一つとして参加しました。この展覧会は、ポルトガルの有名な建築家である、アルヴァロ・シザが設計したポルトガル・パヴィリオンを会場に、様々な国が参加し、大規模に開催されました。

展覧会場となった、アルヴァロ・シザ設計のポルトガル・パヴィリオン

私たちの研究室は、このときは「多数性としての東京」というコンセプトを立て、東京の都市域から、多次元のアーバン・ヴォイドを抽出する、ということを試みました。このことを、以前私は、『現代思想』という雑誌の「現代数学の思考法」という特集にて、「都市の多数性をめぐって」という文章にまとめています。

この展覧会では、南研究室の学生全員がポルトガルに行き、展示作業に参加しました。

展覧会の展示作業。建築家やアーティスト、学生、デザイナー等、日本チームとして様々な人たちが参加。

展覧会のオープニングには、ヨーロッパの各国から集まった人たちで、すごい賑わい。その数、なんと1500人以上!アートに関心を寄せる人たちの層の厚さに、驚かされました。

展覧会オープニング。次々と人が集まり、その盛況ぶりに驚く。

南研は東京の都市リサーチのパネルと、建築的提案の模型等を展示しましたが、多くのヨーロッパの人たちが熱心に観てくれて、手応えを感じました。

南研究室の展示。模型を日本から持っていくのが、一苦労でした。何度も空港で止められ、ヒヤヒヤ。
展覧会場での、南研の学生たちと僕。Tシャツも、展覧会に合わせてでザイン。後列、右から5人目が僕。

展覧会での出展に加え、この時はリスボン工科大学と国際ワークショップも行い、街中の広場でグループワークや発表会を開いて盛り上がりました。

リスボンの街中広場で開催した、リスボン工科大学とのワークショップ。お祭りのようで、楽しかった!

この展覧会は、帰国後、東京・新宿のパークタワーで帰国展も開催し、多くの来ていただきました。

新宿パークタワー、OZONEでの帰国展

というわけで、これ以上になく充実した展覧会でした。このときの南研究室の活動は、『10+1』48号(LIXIL出版)という雑誌にて、16ページに渡って掲載されました。

今はコロナ禍で、なかなかこうした活動ができませんが、また早く、こんな風に楽しく盛り上がれたら、と思っています。

ではまた!

空き家プロジェクト展の会場構成

以前、大規模なアートイベントである「越後妻有アートトリエンナーレ」に、招待作家として出展し、様々なプロジェクトに関わったことがありました。

そこで今回は、その時に開催された展覧会について紹介します。

このトリエンナーレは、新潟県十日町市で、3年ごとに開催されているアートイベント。このときに、地元の空き家を、アートスペースとして再利用するプロジェクトがありました。空き家の現地調査を行った上で、専門家や学生たちで模型を制作し、記録に残しています。僕もその実測調査のため、一時期、ほとんど毎週のように新潟に行っていました。

筑波大学での空き家プロジェクト打ち合わせ。様々な専門家や大学生が集まった

その展覧会を、地元の「農舞台」という建築内で開くということで、会場構成のデザインを、南が依頼されました。

これが、そのときの会場構成模型です。

会場構成の50分の1模型。手前に茶室的な部屋を作っている

この会場構成デザインでは、「自宅の居間にいるように、くつろげるギャラリー」というコンセプトで、靴を脱いで鑑賞するスタイルにしました。また、地元の杉を床フローリングや展示台に使い、現地の空き家から出た建具などを再利用し、パーティションにしました。

地産地消、地元の杉を利用して床や展示台を製作

会場構成の作業には僕も参加し、いろいろな大学や専門学校の学生たちが参加しました。大変な作業でしたが、みんなで盛り上がって、楽しかった!時には小学校に泊まり込んでの作業も出たり。

空き家から出てきた建具や農具を再利用

最終的には、こんな感じになり、イメージ通り、かなり良い雰囲気の展示会場に。

展覧会の風景。杉の木が模型によくなじんでいる

参加した方々や、観に来られた方にも喜んでもらえて、良かった!ちなみにこの時の活動は本として出版されましたが、すでに売り切れて絶版になっています。

ではまた!