坂倉準三展と、バタフライ屋根

東京の汐留に、パナソニック汐留美術館があり、ここでは優れた建築展が開催されることが多いので、僕もよく訪れています。

以前、ご縁があり、ここで開催された「坂倉準三展」に、南研究室が模型を出展したことがありました。

坂倉準三といえば、世界的な建築家であるル・コルビュジエの弟子として有名です。また、かつての渋谷や新宿の都市開発にも関わり、文字通り東京の骨格作りに大きな影響を与えた建築家でもあります。

その坂倉さんが設計した住宅を調査した上で、藤山邸という、すでに現存していない住宅の模型を研究室で製作し、展示しました。この模型です。

この住宅の特徴は、バタフライ屋根です。文字通り、蝶々が羽を広げたような屋根の形をしていて、外に向かって広がっているので、のびやかで見晴らしの良い軒下空間が生まれています。

全体は、中庭をコの字型に囲んだ構成で、地形をうまく活かした巧みなデザインとなっており、今見ても惹かれる要素が随所に散りばめられています。

階段で少し上がって、高床になっている玄関部分も、なかなか良いですね。

この坂倉さんの住宅に触発されて、以前、僕も横浜・日吉での住宅設計のプロジェクトで、バタフライ屋根の住宅案を何案も考えていたことがありました。その時の計画案の一例が、例えばこれです。

通常、住宅やその規模の建築は、切妻屋根や寄棟と呼ばれる屋根で計画されることが多いです。が、敷地の形状や条件によっては、このバタフライ屋根としたほうが、自然の光を取り入れやすく、外部テラス等のひさしとして、バランスよく合理的に計画できる場合もあります。

屋根のデザインは、建築全体の骨格を形作る基本要素なので、重要ですね。

ではまた!

リスボン建築トリエンナーレ展のこと

以前、私の研究室で、国際建築展に出展・参加したことがありました。今日はその展覧会の活動紹介をしたいと思います。

この展覧会は、ポルトガルで行われた、リスボン建築トリエンナーレという国際展です。私たち南研究室は、この展覧会に、日本チームの代表の一つとして参加しました。この展覧会は、ポルトガルの有名な建築家である、アルヴァロ・シザが設計したポルトガル・パヴィリオンを会場に、様々な国が参加し、大規模に開催されました。

展覧会場となった、アルヴァロ・シザ設計のポルトガル・パヴィリオン

私たちの研究室は、このときは「多数性としての東京」というコンセプトを立て、東京の都市域から、多次元のアーバン・ヴォイドを抽出する、ということを試みました。このことを、以前私は、『現代思想』という雑誌の「現代数学の思考法」という特集にて、「都市の多数性をめぐって」という文章にまとめています。

この展覧会では、南研究室の学生全員がポルトガルに行き、展示作業に参加しました。

展覧会の展示作業。建築家やアーティスト、学生、デザイナー等、日本チームとして様々な人たちが参加。

展覧会のオープニングには、ヨーロッパの各国から集まった人たちで、すごい賑わい。その数、なんと1500人以上!アートに関心を寄せる人たちの層の厚さに、驚かされました。

展覧会オープニング。次々と人が集まり、その盛況ぶりに驚く。

南研は東京の都市リサーチのパネルと、建築的提案の模型等を展示しましたが、多くのヨーロッパの人たちが熱心に観てくれて、手応えを感じました。

南研究室の展示。模型を日本から持っていくのが、一苦労でした。何度も空港で止められ、ヒヤヒヤ。
展覧会場での、南研の学生たちと僕。Tシャツも、展覧会に合わせてでザイン。後列、右から5人目が僕。

展覧会での出展に加え、この時はリスボン工科大学と国際ワークショップも行い、街中の広場でグループワークや発表会を開いて盛り上がりました。

リスボンの街中広場で開催した、リスボン工科大学とのワークショップ。お祭りのようで、楽しかった!

この展覧会は、帰国後、東京・新宿のパークタワーで帰国展も開催し、多くの来ていただきました。

新宿パークタワー、OZONEでの帰国展

というわけで、これ以上になく充実した展覧会でした。このときの南研究室の活動は、『10+1』48号(LIXIL出版)という雑誌にて、16ページに渡って掲載されました。

今はコロナ禍で、なかなかこうした活動ができませんが、また早く、こんな風に楽しく盛り上がれたら、と思っています。

ではまた!

空き家プロジェクト展の会場構成

以前、大規模なアートイベントである「越後妻有アートトリエンナーレ」に、招待作家として出展し、様々なプロジェクトに関わったことがありました。

そこで今回は、その時に開催された展覧会について紹介します。

このトリエンナーレは、新潟県十日町市で、3年ごとに開催されているアートイベント。このときに、地元の空き家を、アートスペースとして再利用するプロジェクトがありました。空き家の現地調査を行った上で、専門家や学生たちで模型を制作し、記録に残しています。僕もその実測調査のため、一時期、ほとんど毎週のように新潟に行っていました。

筑波大学での空き家プロジェクト打ち合わせ。様々な専門家や大学生が集まった

その展覧会を、地元の「農舞台」という建築内で開くということで、会場構成のデザインを、南が依頼されました。

これが、そのときの会場構成模型です。

会場構成の50分の1模型。手前に茶室的な部屋を作っている

この会場構成デザインでは、「自宅の居間にいるように、くつろげるギャラリー」というコンセプトで、靴を脱いで鑑賞するスタイルにしました。また、地元の杉を床フローリングや展示台に使い、現地の空き家から出た建具などを再利用し、パーティションにしました。

地産地消、地元の杉を利用して床や展示台を製作

会場構成の作業には僕も参加し、いろいろな大学や専門学校の学生たちが参加しました。大変な作業でしたが、みんなで盛り上がって、楽しかった!時には小学校に泊まり込んでの作業も出たり。

空き家から出てきた建具や農具を再利用

最終的には、こんな感じになり、イメージ通り、かなり良い雰囲気の展示会場に。

展覧会の風景。杉の木が模型によくなじんでいる

参加した方々や、観に来られた方にも喜んでもらえて、良かった!ちなみにこの時の活動は本として出版されましたが、すでに売り切れて絶版になっています。

ではまた!

家具の設計

大学の研究室では、設計活動の一つとして、家具設計やインテリア・デザインを、継続的に進めています。

今回は、研究室で設計した木製棚を紹介します。

これは南研究室で設計し、設置した木製家具。研究室が、メープル・センチュリー・ホールという校舎にあることにちなんで、「春と秋」をテーマにしました。なのでタイトルは<spring/autumn>。

面扉にはメープル(楓)を使い、カウンター天板にはチェリー(桜)の木を使用。また、カウンター側面には、スプリング・トーンというモザイクタイルを貼り込みました。また、背面には月桃紙という和紙系の壁紙を貼り、そこに紅葉をデフォルメした赤いスチールバーをつけました。

これらに間接照明等を組み込んだら、なかなか良い雰囲気になりました。

家具は普段、頻繁に使うものなので、インテリアを構成する要素として、重要ですね。

この家具のおかげで、研究室の雰囲気が、一気にアットホームになり、学生たちも喜んでいます。ここに倉又史郎さんがデザインした、有名なオバQという照明器具を購入して、オブジェとして置きました。

換気シミュレーション解析Project

2020年4月に、神戸商工会議所の委託を受けて始まった、新型コロナウイルス対策のための建築プロジェクト。国士舘大学南研究室、芝浦工業大学西村研究室、および関係者の皆さんと協働し、室内環境における換気シミュレーション解析およびその改善提案を行っています。

ここでは神戸を中心に様々な室内空間の実地調査を行い、気流の流れを詳細に分析した上で、建築計画の検討を行っています。

タイニーハウスの設計

アトリエと大学研究室の協働により、設計・製作したタイニーハウス(動く小さな家)です。

宿泊施設として使えるよう設計したもので、実際に旭川市にて、ホテルとして利用されました。

また、動く家の実証実験として、大学のキャンパス内に1ヶ月間、展示し、学生たちが泊まり込んで調査研究を行いました。

アトリエ・アンプレックスの関連動画

TVディレクターに制作していただいた、アトリエ・アンプレックスの紹介動画です。

また、南が共同主宰として活動している、神田クリエイターズ・ラボの動画を紹介します。こちらも、ディレクターに製作していただきました。

神田クリエイターズ・ラボは、画家や音楽家、漫画家、デザイナー等、様々なクリエイターが400名あまり集まっているグループです。神田のアトリエにて、いろんなメンバーの作品を展示し、オープンギャラリーイベントを開催しました。